新潟近郊区間大回り Part1(1)


2005年9月25日

解説に間違い等がありましたらご連絡下さい。

 新津車両製作所公開(動画で撮るページを参照)を見てから、ちょっとさつき野駅に寄ってみたところ、駐車場が1台空いていたので、前々からやってみたかった新潟近郊区間大回りをやってみることにしました。

 

 車を止めた後、早速自動券売機に行って新潟駅までの230円のきっぷを買いました。

 さて、このきっぷ、普通ならこのように…

 …さつき野から新潟まで直行するだけで終わりなのですが、2004年11月27日に自動改札機が登場してから…

 こういう風に新津に出て新発田回りで新潟駅に行っても、

 こんな風に三条、吉田回りで新潟駅に行ってもOKとなりました。

 

 何でOKになったのかというと、新潟大都市近郊区間(以下「近郊区間」と略)というものができたからです。


※新幹線は含まれません。
※2008年3月15日に信越本線長岡方面は長岡まで、磐越西線会津方面は五泉までエリアが拡大されました。(越後線柏崎方面や、羽越本線秋田方面は変わりありません。)

 近郊区間のルールに「近郊区間内なら経路を自由に選択して乗車できる」(但し同じ駅を2度通るのはNG)というものがあることから、こんなことが可能になったわけです。

 今回は230円のきっぷを買いましたが、新津駅までの140円のきっぷを買って新発田経由(吉田・三条経由でもOK)で大回りして格安の長時間旅行をしたり…

 

意地悪く、さつき野−白山間のきっぷ(320円)でこんな風に乗ってもOKというわけです。(この場合、135kmくらい乗れるそうです。)

※2008年3月15日エリア拡大によって、例えば長岡→東三条→新津→新発田→新潟→吉田→北三条(480円)と乗ったり、五泉→新津→新発田→新潟→吉田→東三条→古津(230円)と乗ったりするのもOKになりました。今後、越後線、信越本線が柏崎まで拡大してくれることを期待!(無理かな…。)

 

※定期券ではできません。定期券で行うと不正乗車になりますので、絶対にやらないようにして下さい。

 

 現在、この近郊区間は新潟以外では東京とその周辺、大阪とその周辺、福岡にも導入されていて、それらの地域でも同じことができます。

  …あれ?札幌や仙台、名古屋や広島などにはないの?と思った方もいると思います。…確かにこれらの都市は新潟よりも大きな都市ですが、…ありません。

 何で、そういったところにはなくて新潟にはあるのか…というと、JRの鉄道網のようすが関係しています。

 新潟市周辺のJR路線図を見てみると(緑色の線は新幹線です。)海側を走る線と山側を走る線がそれぞれ1本ずつ、そしてその海側の線と山側を走る線をつなぐ東京で言うならば中央線みたいなものもあったりして、狭い範囲内に意外と色々なところにJR線が走っていて、分岐点もたくさんあり、例えば東三条から新発田に行くのに、色々なルートがとれることがわかります。

 さすがに東三条から新発田に行くのに、本数が少ない&路線規格が低くて時間もかかる弥彦線や越後線を使う人は、余程のもの好きでない限りいないと思いますが(でも、弥彦や吉田から新津に行く場合は、時間によって経由を変える人がいそうな感じがします。)、新津−新発田間については、新潟・豊栄経由はかなり遠回りなのですが、こちらの方が特急も走る幹線であるために(寝台特急は水原経由で走っています。現在は水原経由で走る昼間の特急はありませんが、昔はありました。)、新潟・豊栄経由で行く人も、水原経由で直行する人も結構多く(新潟から水原−新発田の間辺りに行く場合も、新津経由でも新発田経由でも距離は同じくらいで、そのときによって新津経由が速かったり、新発田経由が速かったりするときがあります。)、ついでに新幹線によって更に複雑になっていたりして、昔から経路について特殊なルールがある区間になっていました。

 

昔はこんな感じでもっとあちこちに鉄道が走っていたんですけどね。

ピンク色の線はJR(国鉄)以外の線です。

 

 関東や関西、福岡も同じようにやはり狭い範囲にあちこちにJR線が走っており、分岐点もたくさんあり、同じ区間の移動でも色々なルートをとる人がたくさんいそうな感じがすることが容易に想像できます。

 

 ところが、まず札幌と広島の都市圏のJR線を見てみると…中心駅から放射状に鉄道が延びているだけで、これ!といったルート以外はとれなさそうな感じになっています。

 仙台や名古屋については、仙石線や太多線などがあったりして、ちょっと複雑かな…というところもありますが、…おそらく新津−新発田のようにどちらも多いということもなくて、検札等でチェックが間に合うくらいなんでしょうね。(これはあくまで想像ですが…。)

 

 あちこちにJR線が走っていて、分岐点が多くて色々なルートがとれると、自動改札機等での「どういうルートで乗ってきたか」の判別が非常に難しいことから、自動改札機導入とともに新潟に近郊区間登場!となったわけです。…全然大都市という感じではないですけどね(^^;)。

 

 

 ただ、この大回り乗車では、途中で改札の外に出ることはできません。だから、これで格安で沿線の観光地巡りをしよう!ということはできないわけです。観光地巡りをしたかったらえちごワンデーパス(大人1,500円)でも使うか、きちんと運賃を払いましょう。

 

 途中で改札の外に出られない=途中駅では改札内の店以外は利用できないということなのですが、途中で昼飯時を挟むように大回り旅行に出かけた場合、新潟では結構気を付けなければならないことが1つあります。実は新潟は改札内に立ち食いそばなどの店がある駅が、意外と少なかったりします。

新潟駅 立ち食いそば屋 数店
キオスク、売店等 数店
レストラン 1店
ステラおばさんのクッキー 1店
亀田駅 デイリーヤマザキ 商品販売窓口あり
豊栄駅 ヤマザキYショップ 商品販売窓口あり
新発田駅 立ち食いそば屋1店 (閉店したようです。)
吉田駅 キオスク 1店

(見落とし等がありましたら、ご連絡下さい。)

 

 つまり、それ以外ではものを買ったり食べたりできるようなところがないのです。(ジュースの自動販売機が設置されている駅はいくつかありますが…。)

 それを知らずに出かけてしまうと、腹が減っているのを我慢しながら旅行しなければならない…ということになってしまいますので、気をつけましょう。

 

 あと、大回り乗車は有効日数が1日限りとなっていますが…、まあ新潟近郊区間はエリアが小さいので、気にする必要はないような感じがします。

 

 

 

 さて、一般論みたいなものはこれくらいにして、それでは本編に行きましょう。

 とは言うものの、ただ紹介するだけではマニアックすぎる内容になってしまう上に、もしかしたらJRに「こんなページ作ってけしからん!」と怒られてしまうかも知れませんので(^^;)、…未公開の沿線とっておき情報が山のようにあるので、走りながらそれを紹介する…という形でやっていきたいと思います。

 

 まあ、それでも、「大回りで行けないところの情報なんか…」…という方もいるかも知れませんので、沿線情報の部分はすぐにわかるように色を変えてあります。




沿線情報が書かれている部分は、このようになっています。



 

 

 ということで、さつき野駅の駐車場が空いていたのをいいことにして、そこから信越本線に乗って1駅長岡寄りにある新津駅へとやってきました。

 今回は新発田経由で新潟駅に行きたいと思います。

 ちょうど羽越本線酒田行きに3分くらいの接続であったので、これに乗ります。(この区間は近郊区間内でもかなり本数の少ない区間なので、運が悪いと1時間近く待たされてしまうことがあります。)

 

 新津駅の1番線ホームです。

 SLばんえつ物語号に合わせて、レトロなベンチとランプ、駅名標、そして柱時計が設置されています。

 

 

 それでは出発です!

 

 新津駅から少し行くと、1km以上もある長い阿賀野川の鉄橋を渡り、新潟市から阿賀野市へと入ります。

 

 

 新津駅から1駅行ったところにある京ヶ瀬駅です。…見てもわかるように、”大都市”近郊区間内とは思えないほどの駅です。

 

 ものすごくのどかな風景の中を走ります。

 

 ”大都市”近郊区間…と聞くと、山手線や大阪環状線みたいに沿線に高層ビルが建ち並んでいて…というものをイメージする方も多いと思いますが、実は新潟近郊区間のほとんどは、このようなものすごくのどかな風景の中を走ります。(どこの近郊区間もはずれの方に行くとのどかな景色が広がるところがありますが、新潟近郊区間は中心部に近いところであっても、こんな景色が見られます。[ちなみに上の場所から新潟市の中心部までは直線距離で約15kmといったところです。])

 

 そればかりか、今乗っているこの列車、なんとオンボロディーゼルカーなんです!走れば木造りの床が震え出す…(by くるりの「オールドタイマー」)ほどひどくはないですが(^^;)、スピードもあまり速くなく、窓ガラスも傷だらけでだいぶ…という感じです。

 

 更に、今乗っているこの羽越本線の新津から新発田の間は完全に単線で、しかも電車(ここでは「パンタグラフから集電して走る列車」という意味です。)は朝夕にそれぞれ1往復しか走らなかったりします。(それ以外はすべてディーゼルカーです。)

 …まあ、何ともすごい”大都市”近郊区間なわけです。

 

 京ヶ瀬からしばらくのどかな景色の中を走ると、左側に見事な杉林が現れて、やがて建物が増えてきます。阿賀野市の中心地、水原です。

 





 水原と言えば、瓢湖の白鳥で有名な場所です。冬になると、たくさんの白鳥が飛来してきて、湖はとても賑やかになります。(暖かくなってもシベリアに帰れずに残ってしまう白鳥が多少いるので、夏でも見られます。)


2004年12月23日撮影

 冬の間は1日に3回、白鳥の餌付けがあり、その様子を見ることができます。(→動画を撮るページに動画がありますので、ご覧下さい。)


2004年12月23日撮影
動画からの取り込み画像です。この画像は二次利用しないで下さい。





 

 

 寒い時期はこのように車窓から白鳥が畑で何かやっているのを見ることができたりもします。
(下の写真は違うところで撮影したものですが、この辺りでも見られます。)


2005年4月7日撮影 from 530枚の写真 no4

 

 

 さて、水原を出ると再び田園地帯ののどかな景色になります。

 

 途中の月岡駅で貨物列車とすれ違い…。

 

 山の麓に月岡温泉の旅館街が見えます。

 

 延々とのどかな景色が続きます。

 

 30分くらい乗って、…ようやく新発田の市街地が見えてきました。

 新潟方面からの線路(白新線)と合流します。

 

 

 新発田に着きました。後ろに写っている車両が、乗ってきたディーゼルカーです。

 

 さて、新潟方面の列車はいつ発車かな?と思ったら、もう入線はしているみたいですが、まだ30分以上あるみたいです。そこで、気分転換にちょっと改札の外に出て…といきたいところですが、それはNGなので、ホームで待機します。

 

 

 先程乗っていた列車が出発していきました。

 

 新津から新発田の間は完全に単線でしたが、ここから先は複線となります。でも、ずっと複線というわけではなくて、数駅行くとまた単線になり、またそこから少し行くと複線になり……秋田(というよりも青森)までひたすらこの繰り返しとなります。

 

 

 改札口に並ぶ自動改札機


この画像を二次利用する場合は、必ずお店の看板にモザイク処理等を施して下さい。

 





 改札口の上に、「ようこそ蕗谷虹児の街しばたへ」と書いてあるのが見えると思います。「花嫁人形」(作曲:杉山長谷夫)を作詞された蕗谷虹児(ふきやこうじ)はこの新発田の出身であり、市の中心部付近には蕗谷虹児記念館があります。

(歌詞は著作権が有効であるため、ここには掲載しません。)




 

つづく

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